分析心理学

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        分析心理学



        心を判断したり観察したりする手段が

        心そのものであるということを決して

        忘れないでください。



        われわれが“無意識”というとき、

        よくその言葉によって何かを伝えよう

        としますが、実際には無意識について

        何も知らないということをただ伝えて

        いるにすぎないのです。



        意識は膨大な未知の無意識領域の

        表層ないしは皮膚のようなものです。



        思考というものについて、もし、

        哲学者にたずねるとしたら、

        話はむずかしくなってしまいます。

        哲学者は思考というものを知らない

        唯一の人間だからです。



        感情は思考と同様に合理的な機能である

        感覚はものごとが“ある”ことを教え

        てくれます。思考はそれが“何”であ

        るかを教えてくれ、感情はどのような

        “価値”があるのかを教えてくれます。



        知的なタイプの人は、

        自分の感情が太古的(アルカイック)

        な特質をもっているので

        感情にとらえられるのを恐れるのです。



        人間の心に関する議論があって、

        それが無意識過程の存在を含まない

        議論であるとしたら、その議論は

        完全なものとはなりえないのです。



        少しの矛盾も含まないような

        思考は説得力に欠けるのです。



        罪を認めた人は、それを背負って生

        きてゆくことができるのです。

        罪を認めることのできない人が

        逃れられないような結末に苦しまね

        ばならないのです。



        気むずかしい人は、直感を好みます。

        それは、超一流の人にしか恵まれな

        いものだと思っているからです。



        世界はわれわれの像なのです。

        …世界像は、自己の世界の投影であ

        り、自己の世界は、世界の摂取でも

        あります。



        しかし、哲学者の特殊な心性だけが、

        日常的な世界像の向こう側に踏み込

        むのです。



        恐らくわれわれはいつも夢を見てい

        るようです。昼の間は意識があまり

        にも明確なので気づかないのです。



        しかし、夜になると、あの精神水準

        の低下が現出し、夢が現われ、見る

        ことができるようになるのです。



        自然はどのような過ちも犯しません。

        正しいとか誤っているというのは

        人間のカテゴリーです。



        人間が完全ではないことを知ること

        はよいことであり、それで、人間は

        より深い満足を感じるのです。



        私の原則は“完全を期そうなどと考

        えては駄目です。しかし、それがど

        んなことであっても、まっとうしよ

        うとは努めなさい”ということです。



        もし、私がある人に“行くべきでは

        ない”と言ったとすると彼は二度と

        戻ってはこないでしょう。“自分の

        道を行きなさい”と言うべきなのです。

        そうすれば、彼は私を信頼します。



        人間の無意識心理が運命を決定する

        のであり、屋根裏部屋のようなちっぽ

        けな意識の部屋で考えたり、お喋りし

        たりすることによって決まるのではあ

        りません。



        空想とは、意味の無いものであり、

        つかのまの印象であるということです。

        しかし、想像とは能動的で、目的的な

        創造です。



        ユング【分析心理学】より






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